センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

心の距離は目に見えない ③

よく


映画とかドラマとかで


平和で仲良く見えていた家族や友人が


あるとき、ちょっとした出来事をきっかけに


あっという間にガタガタと崩れだし


互いの見えなかった不満や


ねじれた複雑な感情が


一気に吹き出す


という展開になったりする。




まさにそんな感じだった。



年下の彼女は


これまでのことも、今回のことも


黙って呑み込むつもりでいた。



呑み込むことができなかったのは私

だ。


年下の彼女を傷つけたままでは終われない。


これは、ちょっとした行き違いなのだ。





そして


突然に自分のやり方でさっさと降りてしまった同い年の彼女に


それがどんなに悲しかったかを伝えた。


ラインは既読にはなったが


その晩、同い年の彼女からの返信はなかった。




翌朝


同い年の彼女から返信が来た。


そこには


私が 遠い街で集まろうとしたことが

行き違いの原因で、


自分の気持は無視されたとか、同期の彼の気持ちを考えてのことだとか


同い年の彼女のあと付けのような言い分が

書かれていた。


それに対して


私や年下の彼女が何を言おうが


同い年の彼女は聞く耳を持たず


どこまでいっても並行線で


決して交わることはなかった。



そして


私たちは疲れ果て


諦めた。


分かり合う努力を。




これが


今週、私たちに起こったことの全てだ。


パンドラの箱を開けたのは私だった。


この5年の付き合いの中で


全く気づくことのなかった同い年の彼女の姿は


私たちの心の距離が


こんなにも離れていることを


はっきりと示してくれたのだった。






パンドラの箱から飛び出した邪悪に驚き


箱を閉めることも忘れてうろたえ


その箱の底に


希望が残されているのかも


確かめる術を持たずにいる。



心の距離は目に見えない


  目を凝らしても誰にも見えない。