センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 貴方が眠る場所


義姉から電話があった。


今日、夫の墓参りに行ってきたのだと言う。


良い場所を見つけてくれてありがとう、


こんなことになってしまって申し訳ないと。




  



コロナ禍でもあり、


葬儀も納骨も私たち家族だけで行なった。



そこには 納得できない思いもあったろう。



しかし



夫は あの荒んだ暮らしを


その中でひとりで亡くなったことを


きっと 誰にも知られたくなかった。




私たちが別居していたことすら


おそらくは話していなかった。




あの どうしようもなく重たい日々を


私たち家族以外、誰も共有しなくていい。




かわいい、自慢の弟は


そのままのイメージでいい。





納骨の日と同じようにきれいに晴れた今日、


樹木葬墓地は明るい陽射しを浴びただろう。



その明るさが救いになる。



貴方が眠る場所は 義姉の悲しみを


少しは和らげてくれたかも知れない。