センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

無知の知

「私たち、無知の知だもんね〜!」


  中学生だった。


社会科で初めて知ったその言葉を、私たちははしゃぎながら口にした。


単純でピュアで少しおバカで…


かわいい中学生だった。


私たちは賢くないよ。
だけど、自分が何も知らないおバカさんだと知ってるよ。


   無知の知


  ソクラテスだ。


「自らの無知を自覚すること」


哲学なんてまるで興味がなかったけれど、
この言葉は私たちをごきげんにした。


だって知らないことをわかってる。
私たちはわかってる。



あれから私たちは成長したけど


無知の自分をわかってるかな。


知ったかぶりの仮面をつけてないかな。





いつかのバンクシー展より