長い夜
真夜中に降った雪が
うっすらと積もった寒い朝
夫が住んでいた部屋の前で
震えながら待っていた。
警察官が部屋の中を確認するのを。
やがて
トイレで倒れて 亡くなっていると
警察官から告げられた。
次々と警察官が現れ 救急車もやって来た。
そのけたたましいサイレンの音や
警察官の大きな声が 体を刺していく。
そういえば
義母も1月に亡くなったのだったと
そのとき思い出していた。
義母はお風呂で亡くなった。
見つけたのは 夫だった。
病院以外で突然亡くなると
こんなふうに 刑事がやって来て
色々聞かれて 調べて行くのだと
夫から聞いていた。
同じだな。
夫はどんな気持ちで対応したのだろう。
夜
警察署の寒い部屋で
刑事から 検死についての結果を聞き
その後
誰もいない待合室のベンチで 次男と二人
葬儀社の到着を待った。
これは 現実なのか。
夜が来るのが たまらなく怖い。
眠りについても ほどなく目が覚め
動悸を抑えることができず
夜明けまでが長い。
この長い長い夜が いつまで続くのか。
朝の光を
祈るように ただ待っている。
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