センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

「もし、私が死ななければならないなら」


その美しい詩は


If I must die  から始まる。



もしも、私が死んだなら、ではない。


もしも、私が死ななければならないなら、


である。



こんな悲しい始まりの言葉があるだろうか。



リフアト・アライールは


ガザ・イスラム大学の教授で詩人だった。



「天井のない監獄」、ガザで


教鞭を取りながら、パレスチナ人の権利を


訴え続けた。



そして、それ故に脅され、標的にされ、


イスラエル軍の空爆により


昨年12月に亡くなった。



彼は死ななければならない運命と向き合い、


残された人々に希望を託した。



彼の死によって


彼が遺した詩は世界中に拡散された。



そして、その詩は人々の心を強く動かし、


世界中の人々に語り継がれる。


彼が望んだように。



もし、私が死ななければならないなら…


それは、彼ひとりの言葉ではない。



世界中で、そして、この国で


名もなき人々が遺したかった言葉だ。


名もなき人々が遺したかった希望の光だ。



4人の子どもの優しい父親は


空爆に怯える子どもたちを


どんな気持ちで抱きしめただろう。



涙で語る彼の最後の配信は


それでも揺るがぬ彼の信念を思わせる。



今、


空爆のない平和な空の下で過ごす私たちは


誰かの希望の先に生きている。



それを忘れないでいたいと思う。