センチメンタル同盟

頭と身体の衰えが一致しない私の老いへの初めの一歩

 仕事に行きたくない


朝ドラで、虎ちゃんが


「仕事に行きたくな~い!」と


転がってひとりで駄々をこねていた。



そのシーンがネット民の心に刺さった様で


共感の声であふれていた。



日本全国民の声を代弁してくれてる!と。



な〜るほど!



そうなんだね。


みんな、仕事に行きたくないんだね。



いっしょなんだ!


という驚き。


よく考えればあたりまえかも、だけど…



めまいがするほど仕事に行きたくない私も


行ってしまえば、どうってことはない。



いつものように忙しくて


いつものようにワチャワチャで


いつものように疲れ果て…



オーナーは信じられないほど仕事が遅い。


信じられないほど丸投げで


信じられないほどアバウト。



シフトは間違いだらけだし、


利用予定表も間違いだらけ。


運が悪いとお給料も間違いだらけಥ⁠‿⁠ಥ



今どきは、便利なアプリがたくさんあるのに


費用を惜しんで、アナログにこだわる。



でも、働く人間がアナログだから、


簡単な仕事も間違いだらけ。



人件費の方がよほど高いのに、


間違いだらけを積み重ねていて、



行政、学校、保護者が三位一体となって


施設のあり方を疑問視している。



クレームがあったときだけ大騒ぎして、


働く私たちに注意のメールが送信されるが、



無理なスケジュールをねじ込んで


現場の大変さを少しも理解していない。



そのうちに取り返しのつかない事故になる。




子どもを通園バスから降ろし忘れて


可愛い女の子を死なせてしまったあの事故は



前にあった、そうした事故を受けて


国から安全管理マニュアルを作るように


通達があったのに



忙しさを理由に、後回しにしてしまった。


それが、


この悲惨な事件の原因だと断定された。




保護者に欠席確認をしなかった担任も


有罪判決が下りた。



この裁判の結果を知っても


オーナーは他人事だ。



この施設だって


基本的なマニュアルが何一つない。



同じ通達を去年受け取っていたというのに


マニュアルを作ろうという姿勢も見えない。



何を言ったとて、動く気のないオーナーだ。


私たちがやるしかないのだけど…



業務時間内に事務仕事はできないし、


そもそも保育で手いっぱいだ。



件の裁判の結果を見て、同じだ、と思う。


「やらなくては、と思いながら、


 忙しくて後回しになっていた」



子どもの安全より優先しなければならない、


どんな仕事があると言うんだろう?



こんな施設の現状に私たちも慣れていく。



あちこちボロボロの施設で


ポンコツな私たちが保育する。



時々、怖くて怖くてたまらない。 



あの事件は、保護者に電話1本かけていたら、


救えた命かも知れなかった。



おそらく、バタバタと忙しい毎日の中で


安全管理への厳しい眼差しが欠けていた。



たった1本の電話を忘れただけで、


大事な命を失ってしまう。



その恐ろしさを忘れている日々が怖い。


あの担任保育士は、明日の私かも知れない。



この夏の間に、この仕事を続ける、という


強い気持ちが戻るだろうか。



あ〜、仕事行きたくな〜い!



私も虎ちゃんのように


転がりながら叫びたい。